平成に起きた衝撃事件のひとつ「和歌山毒物カレー事件」
和歌山県の小さな町で行われた夏祭りで振る舞われたカレーライスに「ヒ素」が入れられ、67人が中毒症状をおこし、そのうち4人が亡くなった事件です。
やがて、この地区に住む主婦・林真須美が逮捕。
無罪を訴えるものの、2009年には最高裁にて死刑が確定。
いまだ刑は執行されていませんが、林死刑囚は無罪を訴えており、この事件については冤罪説も浮上しています。
確かにこの事件に関する記事や書籍を読んでみると、どうも不明確な点があるのも事実‥。
そこで、今回は林真須美死刑囚の冤罪説、さらには生い立ちや子供のその後についても調べてみました。
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事件の概要を簡単に
1998年。和歌山県の園部地区。
人口1万人に満たない小さな町にて、夏祭りが行われた。
夏祭りでは、地元の主婦が作ったカレーが振る舞われ、カレーを食べた住民64人が倒れ、4人が亡くなった。
最初こそ食中毒と思われた。
しかし、警察の調べにより一皿で致死量の「ヒ素」が混入されていたことが判明した。
有力な証言を得られないまま捜査は難航する。
やがて、事件から1ヶ月後。
近所に住む主婦・林真須美と夫・賢治氏に疑惑が向けられた。
自宅から押収されたヒ素は、カレー鍋にいれたものと一致。
また林真須美らは、これまでに幾度となくヒ素を使った保険金詐欺事件を繰り返していた。
さらにいくつかの状況証拠から、林真須美が逮捕された。
しかし、この事件には未だ解明されていない部分が存在する。
判決文によると、動機は未解明。
不仲だった近隣住民への腹いせとされたが、供述は得られておらず、林真須美死刑囚も無罪を訴え続けた。
しかし、2009年に死刑が確定。
未だ刑は執行されていないが、平成に起きた事件であるため、平成が終わるタイミングで執行されるのではないかと言われている。
しかし、この事件には不明確な部分があることも事実であり、冤罪なのではないかという説も浮上しています。
その理由についてまとめてみました。
あくまでも推測の域となりますので予めご了承ください。
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冤罪説の理由【状況証拠のみで直接的な証拠がない】
そもそも林真須美が逮捕された理由について、全て状況証拠であり直接的な証拠はないと言われています。
<林真須美が犯人として逮捕された理由>
- カレーに混入されていたヒ素と同じものが、林真須美宅から見つかった
- 12時20分~13時30分までの間、林真須美が一人でカレーの見張りをしていた
- 林真須美と家族はカレーを食べていない
- ヒ素を使った保険金詐欺事件を何度も起こしていた
こういった状況証拠から林真須美が犯人として逮捕されましたが、これを覆すかのような事実も浮かび上がっています。
【ヒ素に関する疑惑】
最初カレーから発見されたのは「青酸カリ」だと発表されました。
しかし、後に青酸カリだけではなく「ヒ素」も混入されてたと訂正され、警察は「ヒ素混入」から林真須美にたどり着いていきます。
そして、いつしか青酸カリの文字は消え、最終的には青酸カリは混入されていなかったと結論付けられ「ヒ素」とされたのです。
この時点で、警察の発表が二転三転しています。
林真須美宅にヒ素があったのは、シロアリ駆除業を営んでいたためであり、ヒ素が自宅にあってもおかしくはない状況でした。
さらに、当時、ヒ素はシロアリ駆除以外にも、ネズミ対策や、みかんの減酸材としても使われ、県内の工場などでも大量に出回っており、入手困難なものではなかったのです。
実際に、林家以外に6軒ものヒ素を持っている近隣住民がいたと言われています。
また、カレーから検出されたヒ素と林真須美宅から見つかったヒ素は、違う種類のものであったと後に無罪を主張していますが、棄却。
林宅から見つかったヒ素は、当時施錠されていないガレージに夫が保管しており、誰でも侵入が可能だったと言われており、林真須美だけが犯行を行える状況でもありませんでした。
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【カレーの見張りは林真須美一人ではなく次女も一緒だった】
当時、林真須美が一人カレーの見張りをしていた時間があったため、その時にヒ素を入れたのではないかと言われています。
しかし、実は林真須美が見張りを担当してた時は、次女も一緒であったとのこと。
このことから、実は次女がカレーに入れてしまったのではないかと言われています。
しかし、もしも次女であれば、次女に疑いの目が向けられないように、むしろ犯行を認めるのではないかと思いますし、次女説の可能性は低いように思われます。
【動機が見当たらない】
林真須美は、夫と一緒に保険金詐欺を繰り返し、総額8億近くものカネを手に入れたと言われています。
また、後に夫が語ったインタビューでは、金庫の中に2億もの現金が入っており、詐欺で手に入れたお金で裕福な生活をしていました。
夫曰く、そんな裕福な生活をしており、わざわざ金にならない事件を起こすはずがないと語っています。
林真須美自身も事件を起こす動機がないと訴えつづけています。
報道では、林氏は気性が激しく、近隣住民ともあまりいい関係性ではなかったと言われています。
そのことが動機としてあげられていますが、住民といい関係ではなく鬱憤がたまっていたとしても、裕福な生活を手放してまで、無差別な事件を起こすのか‥
と動機としては弱いのではないかと考えられています。
【家族がカレーを食べなかったのは偶然だった】
林真須美と夫、子どもたちは誰もカレーを食べていません。
しかし、これは林真須美がカレーを食べないように指示したわけでもなく、偶然食べなかったと言われています。
事件当時、林真須美は強引にカラオケに誘われでかけました。
しかし、出かける前、家に残る子どもたちにカレーを食べるないようにと指示もしておらず、お腹が空いた子どもたちが、カレーを食べに行く可能性もあったとも言われています。
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真犯人は別にいる!?夫が語った別の真犯人とは‥
この事件については、状況証拠でしかなく、直接的な証拠が見つかっていないのも事実。
確かに、いくら近隣住民と仲が悪かったとしても、裕福な暮らしを捨て、犯行後に自宅にヒ素を置いておくような、ずさんな行動を取るものかというのは疑問が残ります。
また、夫・賢治は、真犯人は別にいるとの見立てをしていることをインタビューにて答えています。
その真犯人と追われる人物は、林真須美とよく口論になっていた近所に住む男性。
林真須美よりも気性が荒く度々、喧嘩となっており、林真須美は、その人物によってはめられたのではないか‥という説も浮上しています。
林真須美【生い立ち】
漁村の田舎町で生まれ育った林真須美。
性格は負けん気が強く、この時代ピアノを買ってもらえる家であったことからも、裕福な家庭で育ったと言われている。
高校を卒業後、林真須美は大学附属の看護学校へと通う。
しかし、厳しい学生寮の生活に嫌気がさしたのか常に自由を求めているようだった。
そして、看護学生時代の19歳の時、後の夫となる賢治氏と出会う。
林賢治はシロアリ駆除の会社を経営しており、すでに妻もいて既婚者もいたが、二人は不倫関係となる。
林賢治は、林真須美に高額なものをプレゼントしたり、高級車で迎えに行ったり‥
羽振りがよく自由に生きているように見えた賢治に惹かれ、後に賢治は妻と離婚し真須美と再婚した。
しかし、裕福な生活も長くは続かず、賢治の会社はうまくいかなくなり、真須美は賢治を攻めるようになる。
やがて、真須美は保険の外交員として働き始めた。
一方で、夫の提案によってヒ素を使った、保険金詐欺事件を繰り返し金を得るようになり、総額8億もの大金を手に入れていった。
保険金によって手に入れた大金によって一家は裕福な暮らしていた。
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子どもたちのその後と現在
林真須美には4人の子供たちがいました。
- 長女(事件当時:中学3年生)
- 次女(事件当時:中学2年生)
- 長男(事件当時:小学5年生)
- 三女(事件当時:4歳)
事件後、4人に子どもたちは同じ児童施設に入ることになりました。
施設で激しいいじめを受け、高校を卒業した長女はアパレルの営業として働き、好成績を収めたそうです。
自分で稼いだ給料で妹や弟たちにプレゼントをあげ、自分が守らなければと必死に守り自ら道を切り拓いていったそうです。
そして、後に同世代の男性と結婚し、子供も生まれたと言われています。
次女、三女もその後独立。
長男は出所した父の近くに住み、時折アパートを訪ねて面倒を見ている生活を送っていると言われています。
おわりに
真意の程は不明確ではありますが、亡くなられた方、被害を受けた方がいるのは事実です。
平成に起こった大事件。
一体何が本当なのか‥
もはや真実がわからなくなっている部分もありますが、このまま刑が執行されるのか‥引き続き注目していきたいと思います。
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