ザ!世界仰天ニュース4時間スペシャルにて、厚労省の女性エリート官僚・村木厚子さんの冤罪事件が取り上げられます。
村木厚子さんは、厚労省で働いていたある日、211億もの不正に関与した罪で突然逮捕されます。
身に覚えのない罪に問われ逮捕されてしまった村田厚子さん。
一体なぜなのでしょうか。
今回は、村木厚子さんの冤罪事件ともなった「障害者郵便制度悪用事件」についてスポットを当ててみました!
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村木厚子冤罪事件!障害者郵便制度悪用事件を簡単に
村木厚子さんは高知大学文理学部経済学科を卒業し、1978年労働行政を管轄する労働省に入省。
東大出身などエリートが多く、かつ男性キャリアが多い霞ヶ関にある中央省では珍しい地方大学出身でなおかつ女性というのは当時はまだ少なかったそうです。
新入社員時代はお茶汲みや掃除など雑用もこなし、がむしゃらに働いていたものの出世がしたい!というキャリアウーマン思考ではなかったとか。
それでも入社5年目には係長に昇進、入社10年目には課長に昇進。着実にキャリアを積み重ねていきます。
やがて、同じ厚労省の同期である現在の夫と出会い、2人のお子さんにも恵まれ、まさに公私共に充実した生活を送っていました。
しかし2009年6月、村木厚子さんは突然逮捕されていまいます。
それが「障害者郵便制度悪用事件」です。
遡ること2004年ー。
自称障害者団体「凛の会」が会報などの送付のため、障害者郵便物割引制度を利用。
あまり知られていないかもしれませんが、障害者向けの郵便物には割引制度があり、通常は120円かかる郵便物が、障害者割引制度を利用すると8円で送ることができます。
割引郵便制度を利用の認可を得るためには、厚労省の証明書が必要であり、その発行を担当していたのが当時課長職であった村木さん。
実際には村木さんは部下である係長に指示を出し、村木さん経由で団体の代表者に手渡されていたというもの。
ところが、割引制度許可が降りた団体は割引郵便の制度を目的以外の用途に不正に利用し、多額の利益を得ていたのです。
この事件に、当時参議院の石井議員が口利きをしたと、いうことで2009年大阪地検特捜部が動き出し、厚労省の官僚・村木厚子さんと大物政治家の癒着による事件として検察はストーリーを作り上げていきます。
しかし、実は村木厚子さんの部下である係長による単独犯であり、村木さんは全く身に覚えもなく関与していませんでした。
逮捕された村木厚子さんは、無実を訴えたものの、単独で犯行を実行した部下の係長も検事に追い詰められたせいか、村木厚子さんの犯行と自白。
村木厚子さんは起訴されてしまいます。
起訴後、有罪になる確率は99%。
つまり、起訴後に無実と覆させられる確立は1%という極めて低い数字なのです。
村木厚子さんはこうした巨大な国家権力に飲み込まれてしまい、全くの無罪にも関わらず逮捕され約半年間も拘置所での生活を強いられます。
その後、なんとか周りの人からの強い協力、家族の支え、そして「絶対にあきらめない」という強い心を持ち、無罪を勝ち取ります。
逮捕されてから、無罪を勝ち取るまでに要した時間は454日間でした。
その後、村木厚子さんは職場に復帰。
検察側からの控訴もなかったもののが、村木さんは自身の経験から捜査のあり方、司法のあり方をあきらかにするために、国に対し国家賠償請求起訴に踏み出します。
ところが、捜査を明らかにするどころが、国はあっさりと承認という形で賠償金を払うという逃げに出ます。
賠償金といっても国の税金ですからね。
検事が勝手に起こした事件で、なおかつ賠償金は国民の税金から支払われるとは…。
村木厚子さんはこの時に受け取った賠償金は障害者団体に寄付し、その後も厚生労働省で女性官僚として活躍し、現在では伊藤忠の社外取締役に就任し現在も働かれています。
あっさりと賠償金が支払われたものの、村木厚子さんの事件をきっかけに腐った日本の検事のあり方を見直されることにもつながった事件でした。
村木厚子冤罪事件!なぜ厚労省女性官僚が検察官に犯人にされたのか
この事件の1番の疑問が、なぜ一人の厚生労働省女性官僚である村木厚子さんが検事に犯人とでっちあげられたのかということ。
これは、信じられないような身勝手な理由でした。
実は大阪地検特捜部が村木厚子さんと石井議員の癒着事件とストーリーを作る前に、小泉元首相の秘書である飯島勲氏が事件に関与している疑いを持っていました。
すぐさま飯島勲氏の調書を行ったものの、裏が取れずに逮捕できなかった。
その後、石井議員の名前があがったものの、これまた立件ができずに逮捕ならず。
この時点で検事の面目は丸つぶれ…。
なんとか、汚名を返上し、高級官僚と大物政治家の癒着事件というストーリーを実現するべく、村木厚子さんを黒幕に仕立て上げ、犯人にでっちあげようとした検事側の信じられないような策略だったのです。
当時担当の検察官は証拠品となるフロッピーディスクの文書の更新日時を改ざんしたり、事件の関係者の証言を自分たちの作成した供述通りに強引に誘導したりと、村木厚子さんに全ての罪をなすりつけようとしていたことが判明。
その後、担当検事は職務遂行での犯罪の疑いにより、最高検察庁に容疑者として逮捕されました。
村木厚子冤罪事件!なぜ厚労省女性官僚が検察官に犯人にされたのか-おわりに
一人の女性が、何の罪もないのに犯人に仕立て上げれた裏には当時の検事側の出世、金、欲望などによって翻弄されたものでした。
検察に起訴されれば、有罪率は99%。
これは決して他人ごとではなく、いつあなたが巻き込まれる可能性もゼロとは言い切れません。
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検察の実態を知るわけではないですが、多分に、評価制度に、こういう冤罪を生み出す力があると思います。 送検したら何点、という評価なら、無理矢理でも一件を早く片付け、次に、ということになります。ストーリーを作ったのに送検できなければ、時間が無駄になる。 こういう制度でなく、真実を発見したことが評価される制度なら、警察から上がったものを不起訴にすることも評価されるし、噂があったが調べたら犯罪は無いということを証明できたことも評価される。特に、人生を、社会を左右する力を持つ組織は、評価制度について、弛まなく検証して欲しいです。