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そして父になるネタバレ結末はどっちを選択?原作実話の壮絶な運命に涙が止まらない

投稿日:9月 16, 2017 更新日:

福山雅治さん主演映画「そして父になる」

大事に育ててきた6歳になる息子が、実は赤ん坊の頃病院で取り違えられた他人の子供だった…。

「赤ちゃん取り違え事件」を題材にした映画です。

この「赤ちゃん取り違え事件」は、実際に起こった実話であり、小説やドラマ化もされています。

今回は映画「そして父になる」のネタバレあらすじを結末までと、その後の展開考察、さらに実話についてもまとめてみました。

ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意下さい。

そして父になるネタバレ【発覚】

大手建設企業のプロジェクトリーダーとして活躍する野々宮良多(福山雅治)は妻・みどり(尾野真千子)と6歳になる息子・慶多(二宮慶多)の三人で、都内の高級マンションに暮らしていた。

学歴も経歴も申し分ない勝ち組の良多は、エリート志向が強く息子・慶多も自分が通っていた有名私立小学校に入れるべく受験をさせていた。

良多は休日も仕事ばかりで慶多と遊ぶこともほとんどない。何でも一人でできるようにと、夜寝るのもお風呂に入るのも全て一人でさせていた。

そんなある日、妻・みどりが慶多を産んだ地元前橋の産婦人科から連絡があり、慶多が他の子供と取り違えられていたことが知らされる。

やがてDNA鑑定が行われ、慶多は生物学的には二人の子供でないということが判明したのだった。

検査を受けた帰り道、良多は苛立ちながら「やっぱりそういうことか…」と呟いた。みどりは、母親なのにどうして気づかなかったのか…と自分を責めていた。

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【交流】

後日、取り違えられた相手方、斎木雄大(リリー・フランキー)と妻・ゆかり(真木よう子)に会うことになった。

病院側からは、小学校に上がる前に取り違えた二人を交換させ元の家族に戻したほうがいいと伝えられた。

やがて、少しずつ慣れさせるために週末に家族同士会うことに。

取り違えられた斎木の子供は琉晴(黄升炫)。弟と妹の3人兄弟だった。斎木家は田舎で小さい電気屋を営み、のんきな様子の父・雄大(リリー・フランキー)に、肝っ玉母ちゃんのゆかり(真木よう子)。

良多とは全く違う家庭環境だった。

子どもたちはすぐに打ち解け一緒に遊びだす。

斎木家の父・雄大は病院から慰謝料をもらうことをヘラヘラ考えている様子に、良多はお金よりも事実を明らかにすることが大事だと苛立っていた。

一方の妻・ゆかりは以前から琉晴は似ていないと感じることもあり、友人に浮気したんじゃないかと言われたこともあったという。

後日、良多は知り合いのエリート弁護士・鈴本(田中哲司)に会い、慶多も琉晴も両方共引取りたいと相談していた。

鈴本からは、いきなり琉晴の父親になれるのかと聞かれるが、血がつながっているしとりあえず手元においていればなんとかなる、それ相応の金を払えば引き取れるんだろうと淡々と答えた。

やがて、何度か交流した後、週末だけお互いの家にそれぞれの子供を泊まらせることになった。

週末、慶多を斎木家(リリー・フランキー)に連れていき、琉晴を野々宮家(福山雅治)に連れて帰る。

斎木家に初めて訪れた良多は到着するなり「これはちょっと…」と自分たちとは違う古びた家や環境に心配していた。

斎木家では、何をするにも家族みんな一緒だった。夜ご飯は大皿を囲んで皆で和気あいあいと一緒に食べ、お風呂も雄大や兄弟たちと入り、皆同じ部屋で川の字になって寝る。

おもちゃが壊れれば雄大が直してくれ、兄弟で一緒に遊ぶ。慶多は初めてのことに戸惑っていた。

一方の琉晴(黄升炫)は、良多の家で一人一皿、用意されたすき焼きを食べていた。しかし、琉晴(黄升炫)の箸の持ち方が気になった良多は直させようとする。

良多の家では、お風呂も一人で入らせ、寝るのも一人、遊ぶのも高級マンションの部屋で一人で遊ぶという全く違う環境だった。

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【真相】

時は流れ、一家は交流を続けていた。

子どもたちと一緒に遊んではしゃぐ雄大に対し良多は一緒に遊ばない。子供とはもっと一緒にいる時間を増やしたほうがいいのではという雄大。

しかし良多は「一人で何でもやらせる方針で、大事なのは一緒にいる時間じゃない」と価値観がまるっきり違う二人。

ゆかりの父親が痴呆症でもう一人子供がいるようで大変だという雄大に対し、良多はまとまったお金が用意できるし、琉晴も引き取ると言う。

その言葉に斎木夫婦は「金で買えるものと買えないものがある」と怒ったが、良多は「何で俺が電気屋にあんなこと言われないといけないんだ」と反省していない様子だった。

後日、裁判所にて子供を取り違えた看護師が法廷に呼ばれ当時のことを告白した。

看護師は、再婚した夫の連れ子と上手くいかずに悩んでいた。そんな時、一番高い病室に滞在し、一流企業の旦那を持つみどりに嫉妬し、故意に赤ちゃんを取り替えたという。

しかし看護師は現在は夫の連れ子とも上手くいっており、罪を償いたいと謝罪した。

その事実を知った斎木家と野々宮家は怒りにふるえていた。みどりとゆかりは一生許さないと怒るものの、夫側は何も言わなかった。

良多は自身の父親から「やがて慶大は相手の親に似てくる、子供は血だ」と言われたこともあってか早いうちに子供を元の親に戻し慣れさせるべきだと言う。

そして慶多が自分より雄大に懐いているようで内心焦っている様子だった。

このままではいけないのかというゆかりだが、良多は「これから血のつながっていない子を愛せるのか」と冷静に話す。

しかしゆかりは「愛せる、似てる似てないとかそんなことにこだわっているのは血のつながりを感じていない男だけ」と言った。

先に延ばすほど辛くなる、だから早めにと考えている良多だった。

やがて、慶多と琉晴を血の繋がりのある親の元へと戻すことが決定した。なんとか慶多と離れないようにすると言っていた良多にみどりは怒りをぶつける。

そして、慶多が自分の息子じゃないとわかった時に「やっぱりそういうことか」と言ったのは、慶多が良多ほど優秀じゃないのが最初から信じられなかったからでしょ、あの一言だけは一生忘れないと言い放った。

慶多は偶然にも二人の話しを聞いてしまった。

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【父になる】

やがて慶多は斎木家に行くことになる。良多は、これは成長するために大事なミッションだと慶多に言う。

琉晴も野々宮家に迎え入れそれぞれの親の元に戻り新たな生活が始まった。

しかし、自由な家庭で育った琉晴は厳しい決まりがあり、全く違う環境の野々宮家の暮らしには馴染めず、学校での似顔絵には斎木家のパパ・ママの似顔絵を書き、壊れたラジコンをパパ(雄大)になおしてもらうと言う。

良多は自分たちが琉晴のお父さんお母さんだと言い、親になろうと必死だったがうまくいかない。

やがて琉晴は一人家を飛び出し、斎木家に戻ってしまった。良多が斎木家を訪れ琉晴を呼ぶ。その声を聞き、一緒に遊んでいた慶多は一人押し入れに隠れたのだった。

琉晴と上手くいっていない様子を悟ったゆかりは両方引き取っても構わないと言うが、良多は大丈夫だと言い、琉晴を車に乗せ連れ戻した。

実は良多も子供の頃両親が離婚した。その後再婚し後妻に育てられた。そして良多も子供の頃、母親に会いたくて家出した過去があったことを思い出していた。

翌日、良多は何か吹っ切れたかのように琉晴と一緒に遊ぶ。マンションのベランダで釣りごっこをし、部屋にキャンプテントを立て、三人で川の字になって窓から見える夜空を見上げていた。

すると「パパとママの場所に帰りたい」と言う琉晴。すぐに「ごめんなさい」と謝るが、良多はもういんだと優しく頭をなでた。

一方、琉晴を愛し始めたみどりは慶多を裏切っているような気持ちになり苦しんでいた。

翌朝、いつも家族の様子を撮っていた自分のカメラを見た良多。すると、そこには慶多が知らないうちに撮った良多の姿があることを知り涙を流した。

琉晴を連れて斎木家に訪れた良多。しかし、慶多は逃げ出し良多は後を追う。

「パパなんかパパじゃない」「でも6年間はパパだったんだ。出来損ないだけどパパだったんだ…ミッションは終わりだ」

良多は慶多を追いながら必死に話しかけた。二人別々の道を歩いていたが合流地点にたどり着き、良多は慶多を抱きしめた。

やがて、慶多と一緒に斎木家に戻り家の中へと皆で入って行ったのだった。

(おわり)

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【感想&考察】

子供と一緒にいる時間を大切にする雄大(リリー・フランキー)に対し、子供とは一線起き、自立させ自分と同じようにエリート街道を進むことに重きを置いている良多。

良多からはあまり父性は感じられず、どこか冷徹な印象があります。

しかし、慶多と離れ自分の姿ばかりを撮っていた写真を見て、慶多の愛を感じ涙します。

やがて慶多に会いに行き、おそらく初めて良多は慶多と向き合おうとしますが、慶多は避けるように逃げ出します。

これまでだったら逃げるであろう良多は必死に追いかけ、自分の気持ちを必死に伝え続けます。

そして、ようやく二人の心が近づいたところで終わり、その後の展開については見た人によって考えさせられるような内容で締め括られています。

そのためその後どっちと一緒に暮らしたの!?と気になりますが個人的に分析すると、元の生活に戻ったのではないかなーと思います。

良多は慶多と暮らし、琉晴も雄大家に戻ったのではないかなと。

その理由としては、まず慶多が雄大家の息子になることに対し「これはミッションだ」と良多は伝えています。

しかし、慶多と向き合った時、「パパなんてパパじゃない」と拒否されるものの、良多は諦めずに語りかけ、「ミッションはもう終わりだ」と伝え、何度か語りかけた後、慶多は足を止め、良多を受け入れます。

こうして慶多に受け入れてもらったことにより、良多は改めて父になる第一歩を踏み出したのではないでしょうか。

物語自体は静かに淡々と進んでいきますが「血の繋がり」か「育ててきた愛情」かを自分だったらどうするのだろうと考えさせられる、非常に見応えのある映画で面白かったです。

決して派手なストーリーではないものの、考えさせられる内容になっていますので、まだ映画を見ていないことはぜひ一度見てみることをおすすめします。

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原作実話について

映画「そして父になる」の原作はなく、是枝監督オリジナルの脚本ですが、映画の題材になった実話があります。

沖縄で起こった「赤ちゃん取り違え事件」です。映画では男の子の取り違えですが、実際に起こった事件は女の子です。

これは、「ねじれた絆ー赤ちゃん取り違え事件の十七年」という小説にもなっており、2回ほどテレビドラマ化されています。

また2回目のドラマ化は映画公開と同じ2013年に放送されましたが、実際のご家族も出演されています。

非常に興味深かったので、小説を読んでみた所…過酷で壮絶すぎる運命に涙がとまりませんでした…。

次からは実話となった「赤ちゃん取り違え事件」についてまとめてみました。

赤ちゃん取り違え事件実話

1977年沖縄にて。

稲福スミ子さんは、6歳になる娘・美由紀さん、息子・健一くん、夫・茂美さんの4人で暮らしていた。

戦後貧しい時代を生きたスミ子さんは、美由紀さんがバカにされたりしないようにと教育熱心なお母さんだった。

ある日、美由紀さんが小学校に上がる前に受けた健康診断書の血液型がA型とされているのに疑問を持つ。

スミ子さんはO型、夫・茂美さんはB型であるためA型の子供が産まれてくるはずがない。その後、美由紀ちゃんを産んだ産婦人科にて別の家の子供と取り違えられたことが判明する。

当時、昭和46年~48年頃は空前の第二次ベビーブームであり、医学情報誌によると昭和32年~46年までに報告された取り違えられた赤ちゃんは32件。

しかし、実際には10倍の数は起こっていたのではないかと言われ未だ気づいていない家族もいるという。

当時、赤ちゃんを識別するネームバンドは沐浴の際に外されることもあり、再度つける時にネームバンドを間違ったり、赤ちゃんをベッドに戻す時に間違って違うベッドに戻すこともあった。

稲福家の本当の子供と判明したのは、同じく沖縄に住む島袋初美さん。両親と3人の妹がいる7人家族でのびのびと育った女の子だった。

やがて島袋家にも初美さんが取り違えられた子供であることを伝えられ家族は会うことにする。

その後、二組の家族は交流を始め、子供たちだけそれぞれの家に泊まらせ、その生活に慣れさせていった。

やがて、子どもたちにも本当の母親が違うことが告げられ、小学校入学をきっかけに、生みの親の家に子どもたちを戻し新しい生活を始めることになる。

こうして、美由紀さんは島袋家に、そして初美さんは稲福家で住むことになった。

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初美さんと暮らし始めた稲福家。しかし、初美さんは読み書きが思うようにできず、箸の持ち方もきちんとできなかったりと家庭環境の違いを感じた。

やがて初美さんは、名前を改名し真奈美として新しい人生を歩むことになる。

一方、美由紀さんは島袋家に馴染むことができずにいた。母・きみこさんは子育ての悩みからか夜飲み歩くようになり、家では今までのように勉強できる環境でもない。

ある日ついに美由紀さんは家を飛び出し育った家に戻った。

その後、美由紀さんの要望もあり稲福家は、島袋家の隣に住むようになる。

真奈美(初美)さんはすっかり稲福家に馴染んでいるようだったが、美由紀さんは馴染めないところもあり稲福家によく行くようになっていた。

やがて高校を卒業した二人。美由紀さんは家を出て東京で就職。そして真奈美さんは地元に残り、家業を手伝いながら結婚出産した。

そして2013年、美由紀さんが結婚したことをきっかけに、結婚式をあげていなかった真奈美さんも一緒に合同で結婚式をあげ二人の家族も一緒に式に参加したのだった。

こうしてそれぞれの家族はまた新たな人生を歩みだした。

(おわり)

赤ちゃん取り違え事件【感想】

映画の原作小説ではないものの、非常に映画と似ている部分が多かったです。

実話の方では、双方の家族は血の繋がりのある親の元へと娘達を戻します。

初美(真奈美)さんは新たな家に馴染めたものの、美由紀さんはこれまでとは大きく環境が変わり馴染めず、隣の家に育ての親である稲福さん一家が住み始めいつでも会える環境に。

それでも色んな葛藤やここには書けないほどの過酷な運命が待ち受けており成長し乗り越え、やがて二人は大人になります。

詳しくは小説「ねじれた絆ー赤ちゃん取り違え事件の十七年」を読まれることをおすすめしますが、涙なしでは読めない壮絶なそれぞれの家族の物語が詳細に書かれており、非常に考えさせられる内容となっています。

色々とあったものの、二人は結婚し合同で結婚式をあげ、それぞれの家族も参列するという結果的にはハッピーな方向で新たな人生を歩み出しているようです。

ここまで来るのに想像もつかないような壮絶な苦労や葛藤、悲しみがあったかと思いますが、それを乗り越えられ新たな家族を築きお二人とも幸せになられたようでよかったなと思います。

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