テレ朝60周年を記念し、渡辺謙さんが主演を務め好評だったドラマ「刑事一代~平塚八兵衛の昭和事件史」が再編集され放送されます。
「落としの八兵衛」と言われる凄腕刑事・平塚八兵衛さんをモデルとし実話を元に作られたドラマです。
今回は戦後最大の誘拐事件と言われ、平塚八兵衛さんが解決に導いた「吉展ちゃん事件」を中心にネタバレ解説していきます。
ネタバレを知りたくない方はご注意下さい。
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【吉展ちゃん誘拐殺人事件】
昭和38年
3月31日:東京都台東区の公園で遊んでいた当時4歳の吉展ちゃんが姿を消す。
4月2日:両親に身代金50万円を要求する電話がかかってくる。
指定された場所に現金を届けたものの、犯人と連絡は取れなくなりお金も奪われてしまった。
吉展ちゃんの行方も、犯人の手がかりも得られぬまま、2年の歳月が経ってしまう。
事件は迷宮入りしかけ、平塚八兵衛(渡辺謙)が捜査に投入される。
八兵衛は、犯人からかかってきた音声を確認し、容疑者の一人だった時計職人・小原保(萩原聖人)であると確信をする。
しかし、小原には事件当日完璧なアリバイがあり、犯行を否定した。
3月31日。
吉展ちゃんが誘拐された犯行当日、小原は福島の田舎にいた。
そして、目撃証言もあった。
平塚八兵衛は、アリバイを再度調べに福島へ向かった。
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福島県の田舎にて、3月31日。小原を目撃したという雑貨屋のおばあちゃんがいた。
また、おばあちゃんの親戚の男性も小原を見たと言っていた。
男性は不審者である小原がわらぼっちで寝ているところを見かけたため、その日の夕方わらぼっちを片付けた。
そして、不審者がいると交番に報告に行った。
その話を聞いた八兵衛が交番に行き、記録を調べると、その日は3月29日だった。
その翌日、つまりおばあちゃんが見たのは3月30日ということになる。
犯行当日3月31日に福島にいたという小原のアリバイが崩れた。
だが、4月2日にこの村に戻ったところを別のおばあちゃんに目撃されている。
すぐに、八兵衛はおばあさんの証言を確認しに行った。
おばあさんは、4月2日(脅迫電話があった日)に小原を見かけたという。
嫁が孫を病院に連れて行った日だったため、4月2日で間違いないと言った。
孫に話を聞きに行くと、前の晩の節句の草餅を10個食べたため、腹痛を起こし病院に行ったという。
その後、両親に確認したところ、節句は毎年違い2年前の節句は3月28日であることがわかった。
さらに、八兵衛は孫が行った病院に確認しに行った。
孫は、3月28日と4月2日に来ていた。
だからおばあさんは4月2日に小原を見たと言ったが、実は3月28日だった。
こうして、犯行のあった3月31日以降のアリバイは崩れたのだった。
しかし、これだけでは物足りなく感じた八兵衛は小原の実家を訪ねた。
小原は3月29日、実家に借金を頼みに来たが何年も帰っていないため顔を見せず、裏の蔵で寝たと供述していた。
八兵衛は、実家の蔵を見せてもらった。
2年前、小原は蔵の中にある米の凍み餅を食べたと言っていた。
しかし、兄嫁によると2年前は米が不作で凍み餅は作っていなかった‥。
つまり小原はここに来ていない。
帰り道、八兵衛たちを小原の母が追いかけてきた。
母は、もし息子が人の道に外れるようなことをしていれば‥天罰を下させてください‥
母は泣きながら、雨の中何度も土下座した。
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東京に戻った八兵衛は、小原の所持金に関するネタを洗った。
小原は事件直後当時の愛人に20万という大金を渡し、さらに実の弟に30万近くの大金を見せつけていたことがわかった。
身代金50万と一致するが、小原は時計の密輸で稼いだお金だと言い張っていた。
やがて、八兵衛による小原の取り調べが始まった。
しかし、人権問題が問いただされ、10日という時間で小原を落とさなければいけなかった。
小原はなかなか口を割ろうとはせず、最終日の10日目を迎えてしまう。
すると、八兵衛は小原と世間話をしている中で、小原が福島から戻った4月3日、日暮里で起きた大きな火事を電車内から見かけたと言っているのを聞き逃さなかった。
日暮里の大火事は4月2日に起きたものだった。
つまり、小原は福島ではなく東京にいたのだ。
そして、八兵衛は一気に畳み掛ける。
八兵衛は、小原の母が土下座し謝ってきたことを再現してみせた。
母のためにこれ以上罪を逃れようとしているのであれば、きちんと償うべきである。
八兵衛はそう説得し、小原はついに犯行を自供したのだった。
吉展ちゃんは誘拐された日に命を奪われおり、墓地に遺体は隠されていた。
後日、小原は死刑判決を下され、執行された。
【小原保の生い立ちから犯行動機まで】
福島県の貧しい農家にて、11人兄弟の10番目の子供として生まれる。
小学生の時、あかぎれが原因で髄膜炎を発症し、片足が不自由になる。
そのことで学生時代はいじめられることもあり、中学卒業後は足が不自由でもできる時計職人の道へと進んだ。
やがて上京し東京の時計店にて働くものの、給料だけでやっていけず、内職で時計ブローカーをして稼ぎ始める。
しかし、そのことが店にバレてクビとなり、定職につかずブローカーをして稼ぐものの借金を作ってしまう。
借金がかさみ、お金を借りに実家福島に行くものの、実家も貧しくとても借りれる状況ではなかった。
東京に戻った小原は、映画の予告を見て、子供を誘拐して身代金を奪うことを思いつく。
そして、東京の公園にてよそ行きの服を着て遊んでいた吉展ちゃんに目をつけ、犯行に及んだのだった。
(おわり)
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