テレビ東京開局55周年を記念し、山崎豊子先生の作品「二つの祖国」がスペシャルドラマ化!
日本とアメリカの二つの国で、戦争に翻弄されながら、過酷な時代を生きた人々を描いた作品です。
今回は「二つの祖国」の大まかなあらすじ・ネタバレ概要を、簡単にまとめてみました。
また、モデルとなった実際の人物もいるようなので、合わせて紹介します。
※ネタバレを知りたくない方はご注意下さい。
主な登場人物
<天羽(あもう)家>
■長男:賢治(けんじ)‥小栗旬
■次男:忠(ただし)‥高良健吾
■三男:勇(いさむ)‥新田真剣佑
■父:乙七‥松重豊
■母:テル‥麻生祐未
■チャーリー田宮‥ムロツヨシ
■梛子(なぎこ)‥多部未華子
■エミー‥仲里依紗
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二つの祖国あらすじネタバレ概要を簡単に
天羽乙七(松重豊)は、19歳の時、鹿児島から移民としてアメリカへ渡り、ロサンゼルスのリトルトーキョーにてアモウランドリーを経営していた。
日系二世としてアメリカで生まれ、日本で教育を受けた後にカリフォリニア大学ロサンゼルス校を卒業した天羽賢治(小栗旬)は、ロサンゼルスの邦字新聞社にて記者として働いていた。
賢治は同僚の梛子(なぎこ/多部未華子)とお互い惹かれ合っていた。
しかし、梛子は賢治の同級生でもあるチャーリー田宮(ムロツヨシ)と交際中であり、後に結婚。
梛子への思いはありつつも、賢治は梛子の友人で日系二世のエミー(仲里依紗)と結婚し、二人の子宝にも恵まれた。
しかし、太平洋戦争が始まり、アメリカで暮らす日本人は全てを没収され、収容所へと送られてしまう。
そして、日本とアメリカのどちらに忠誠するかテストが行われる。
乙七(松重豊)⇒日本に強い忠誠心を持つため「日本」を選択⇒収容所へ送られる
賢治(小栗旬)⇒情報戦で早く終結させようと「アメリカ」を選択⇒後に陸軍情報部にて暗号解読や日本語教官に就く
忠(高良健吾)⇒大戦時日本にいたため日本兵としてフィリピンへ
勇(新田真剣佑)⇒「アメリカ」を選択⇒米兵として戦地へ
後に、梛子(なぎこ/多部未華子)は、チャーリー(ムロツヨシ)と離婚。
日本の広島へ戻る両親を追って、梛子も広島へ向かう。
一方のエミー(仲里依紗)は、暴行を受けたことを、賢治(小栗旬)にも打ち明けられず一人苦しみ酒浸りの生活となる。
賢治の弟・勇(新田真剣佑)は、アメリカ兵として戦地に赴き戦死。
また、賢治はフィリピンにて弟・忠(高良健吾)に遭遇。忠は賢治を誤って撃ってしまい、アメリカの捕虜となってしまう。
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1945年。
終戦を迎えた。
賢治は翻訳モニターとして働くため日本へ戻る。
(※翻訳モニター:英語と日本語の翻訳において誤解が生じていないか監視役のようなもの。)
そして、奇跡的に助かった梛子と再会。
エミーとの不仲もあり梛子に惹かれるが、エミーが暴行を受けたことを知り、エミーを見放すこともできずに悩む。
しかし、その後梛子は原爆の後遺症から、白血病となり余命一年を宣告される。
その一方で、戦争の指導者を裁くために東京裁判が行われ、賢治は翻訳モニターとして裁判を担当。
さらに裁判は、勝利国アメリカ側に有利に働いていき、勝者が敗者を一方的に裁くアメリカのやり方に賢治は強いショックを受ける。
やがて判決が下り、A級戦犯へ「絞首刑」の判決が言い渡される。
仕事とはいえど、賢治は激しく落ち込んだ。
その後、A級戦犯の遺骨が遺族に渡っていないことを知った賢治が反論。
しかし、反米と捉えられてしまい、除隊することとなる。
賢治は梛子からアメリカ、日本の二つの祖国の架け橋になってほしいと言われていたため、新聞社にてペンを取り記事にするべきか悩むが、梛子が亡くなってしまう。
もはや、梛子も失い、二つの祖国の間で苦しみ続けた賢治は、自ら命を絶ったのだった。
(おわり)
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二つの祖国モデル人物
山崎豊子先生といえば、かなり綿密に取材をされてから小説を書かれるため、多くの作品はモデルとなった人物が存在します。
今回の「二つの祖国」についても、何人かの日系2世の方の実話を元に構成されていますが、主人公・天羽賢治の主要モデルとなった人物が二人います。
■デイヴィット・アキラ・イタミ(伊丹明)
アメリカに生まれ、3歳から鹿児島にいる叔母に預けられ、しばらく日本で過ごす。
日本の大学を卒業し、その後アメリカ・カリフォルニア大学へ進学。
卒業後は、日本語新聞の記者となる。
太平洋戦争が始まり収容生活を強いられるが、アメリカ陸軍情報部に勤務することとなり、日本軍の軍事暗号を担当する。
そして1945年に終戦を迎え、翌年行われた「極東国際軍事裁判」にて、日本側の通訳を監視する翻訳モニターを担当。
その後、39歳にて自ら命を絶った。
■ハリー・カツジ・フクハラ(福原克治)
ワシントンにて日系2世として生まれる。
その後、家族で日本へ戻るものの日本の生活に馴染めず、中学卒業と同時に単身アメリカへ。
身寄りがなかったため、白人夫婦の家に居候しながら、皿洗いなどのアルバイトをし大学へ進学。
しかし、太平洋戦争が勃発し、収容所へと送られる。
その後、アメリカ軍の通訳に応募し、語学兵として戦地へ行くことになる。
戦地では、日本軍の機密書類の翻訳や捕虜の尋問を行った。
やがて終戦を迎え、家族の安否を確認するため広島へ向かったが、兄は被爆しその後亡くなった。
また、福原氏の弟は日本兵として戦った。
その後、福原氏はしばらく日本で暮らしたものの、晩年はアメリカへと戻り、日米両国の著名人との架け橋となり、95歳にてアメリカで亡くなった。
二つの祖国【感想】
1945年に終戦を迎え、戦争を知っている方々はもう74歳以上の方。
年々戦争についてのドラマや番組も減っていてきている印象であり、恥ずかしながらも、二つの祖国に翻弄された方々がいたことを、あまり知りませんでした。
福原氏のように、兄弟でも選んだ国によって、戦地で戦うことになったり、軍人として貢献したアメリカが落とした原爆によって、兄が亡くなったり‥。
かなり読んでいて胸が締め付けられ複雑な思いでいっぱいになりました‥。
戦争について触れられる機会が段々と少なくなってきましたので、今回のようなドラマはぜひとも多くの人に見てもらいたいなと感じた作品でもあります。
また、山崎豊子先生原作の「二つの祖国」も、かなり濃厚で読み応えがあり、手元に置いておいて何度も読み返したい作品です。
まだ原作を読んでいない方は、一度読むことをおすすめします。
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