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望郷(湊かなえ)ネタバレあらすじ映画原作,夢の国&光の航路結末まで!ラストに号泣…

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湊かなえ先生の小説「望郷」が映画化されます。

原作「望郷」は6編の短編小説で構成されており、そのうちの3作品はテレビドラマ化されました。

今回、映画化されるのは「夢の国」と「光の航路」です。

湊かなえさんも島育ちのようで、生まれ育った島を題材にそこで生きる人々が持つ痛みや葛藤、苦しみなどそれぞれの人生を綴った小説となっています。

今回は、映画「望郷」の原作になった「夢の国」と「光の航路」のネタバレあらすじを簡単にまとめてみました。

ラストまでネタバレしていますので、結末を知りたくない方はご注意下さい。

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望郷(湊かなえ)「夢の国」ネタバレあらすじ結末まで

夢都子(貫地谷しほり)は、幼い頃から憧れていた夢の国「ドリームランド」に夫と娘と訪れていた。日本でも有名なテーマパークだが、夢都子が来たのはこれが初めて。

家族でドリームランドを楽しみながら、これまでの人生を思い出していた。

夢都子は、両親、祖母と大きなお屋敷住んでいた。夢都子の家では、全ての権限を祖母が持っており、母はいつも祖母の機嫌を損ねないよう顔色を伺って暮らし、夢都子にもそんな生活が強いられていた。

ある日、商店街のくじ引きでドリームランド行きのチケットを当てたが、自分たちだけ楽しむと祖母の機嫌が悪くなると母はチケットを返した。

窮屈で祖母という家のしきたりに縛られた家庭で育った夢都子。

高校も大学も実家から通える学校しか許してもらえず、就職も家から通える範囲が条件だった。島での仕事は限られているため、島でも仕事がある教師になるべく大学では教職課程に進んだ。

教育実習で地元の高校に実習に訪れた夢都子は、同じく実習に来ていた平川という同級生に再会する。

いつしか、平川に実習帰りに車で送ってもらうようになった。すると、近所の誰かが平川に送ってもらっている様子を見かけたようで母から厳しく問い詰められる。

平川に送ってもらうのはもう止めようと思ったが、実習が遅くなりこの日も夢都子は自宅まで送ってもらった。

自宅前に到着し、古い屋敷の門を開け玄関に向けて1歩ずつ進む。

しかし数歩進んだところで、夢都子は門を出て道路に引き返し、まだ近くにいた平川の車へと戻った。

どうしたの?と声をかけてくる平川に、ご飯食べに行こうと誘い、そのまま初めての無断外泊をした。

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朝になり、自宅に戻った夢都子は、こっぴどく叱られると思っていたが、祖母が亡くなったと知らされた。

昨夜庭で心臓発作を起こし倒れ亡くなってしまったという。母もちょうど外出しており、夜遅くに帰宅し祖母が庭に倒れているのを発見したが、もう息を引き取っていたという。

母は自分を責めていた。夢都子は涙一つ見せなかった。

実は、夢都子が昨夜平川に送ってもらい自宅庭に入った時、祖母が庭に倒れているのを知っていた。

かすかに夢都子の名前を呼ばれたような気がしたが、祖母の元へは行かず平川の元へと戻ったのだった。

その後、夢都子は妊娠が発覚し、平川と結婚した。そして念願だったドリームランドに来ている。

祖母が亡くなったと聞いてから正直夢都子はほっとし、ようやく自由になれると思った。

母も同じだと思った。しかし母は「お祖母ちゃんに悪いから…」とあいからわず何もかも遠慮する生活を送っている。

祖母に縛られていると思っていたが、そうではなかったのかもしれない。

しかし、夢都子はもう何かに縛られるのは止めようと思っていた。こうして憧れの場所だったドリームランドにも来ようと思えばいつでも来れるのだから。

(おわり)

望郷(湊かなえ)「夢の国」感想

祖母に縛られて生きてきたと思っていたが実はそうでもなかったのかもしれない。

祖母が亡くなったにも関わらず、その後も「祖母に悪いから…」と今まで通りの暮らし続ける母の姿を見て、もしかしたら知らず知らずのうちに、自分で自分を縛ってしまっているということに夢都子は気づいたのかもしれません。

これは、夢都子のように家のしきたりだけでなく、全てのことに言えるのかなーと思いました。

自分自身に対しても自分はこうだからと何かをする前から決めつけ、結果的に自分で自分のことを縛って不自由になっている部分って誰しもあるのではと考えさせられる作品でもありました。

夢都子の胸の痛みが読み手側にもじわじわと伝わり、ラストは心穏やかに余韻が残る作品でした。

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望郷(湊かなえ)「光の航路」ネタバレあらすじ結末まで

生まれ故郷である白綱島の小学校で教師をしている航(大東俊介)は担当クラスの女子生徒のいじめ問題に頭を抱えていた。

航は母と二人暮らしで、父親は同じ教師だったが10歳の時に亡くなった。

いじめ問題に直面している航は父だったらどうするだろうかと考え、以前父に一度だけ殴られたことを思い出していた。

父との関係は良好だった方だが、理由も聞かずに殴られたあの時のことは今でも心にわだかまりがあった。

クラスのいじめ問題に追い詰められていた航は自分が誰かに殴られて、しばらく意識を失ったらいいのに…と目の前の現実から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

そんなある日、航の家が放火に被害に合い、煙を吸い込んだ航は丸1日意識を失い気づいた時は病院のベッドの上だった。

幸い母も無事で家も全焼までは至らず、航も命に別状はない。

しばらく病院で療養することになった航の病室に、畑野忠彦という一人の男性が訪ねてきた。

中学教師をしている畑野は父の教え子であり、新聞で放火事件のことを知り訪ねてきたのだという。

父の教え子だという畑野に航はふと父に殴られたあの日のことを何気なく話し始めた。

それは島の名物行事である進水式が原因だった。

航が小学校3年生の時に家族で一緒に行くはずだった進水式。

しかし、前日になって父は行けなくなったと言い、航は母と二人で進水式に行った。

ところが、会場で父が中学生くらいの男の子と一緒に来ているのを目撃する。父は彼の肩に手をおいて二人で船を見送っていた。

翌日、学校に行くとクラスメイトたちは進水式の話しで盛り上がっており、航に軽口を叩いた少年に航はついかっとなり突き飛ばし、ケガをさせてしまった。

そのことを知った父は「友達に手を挙げたのか」と聞いてきた。

「だって…」言った瞬間、父は航の頬を平手打ちし、人に手を挙げていい理由はないと厳しく叱った。

航は、他の子と進水式に行っていたくせにと声をあげて一人泣いた。そのことはその後もずっと言えずに父は癌を患い亡くなってしまった。

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その話しを聞いた畑野は「申し訳ない…」と言った。実は、その進水式に父と一緒に行ったのは畑野だったのだ。

中学に入った畑野は夏休み前、いつも漫画を貸し借りしている友人と一緒に浜辺に行った。

その時、上級生の男子生徒が一人タバコを吸っているのを目撃した。悪いことだとは思いつつも特に何も言わず、誰にも言わなかった。

しかしその後、漫画を貸し借りしていた同級生が自分をさけるようになり、やがて二学期になるとクラスの男子生徒全員から無視されいじめられるようになった。

いじめはエスカレートしていき、漫画を貸し借りしていた同級生からもいじめられた。

次第に急な腹痛に襲われるなど体に異変が現れ始め、それを原因にさらにクラス全員から不潔だと益々いじめられるようになった。

そんな日々が続き、腹痛に襲われた畑野はトイレに駆け込もうとしたが、いじわるされ間に合わなかった。

畑野はもうこの世から消えてなくなってしまおうと決意していた。

しかし、そんな自分を救ってくれたのは航の父だったという。

トイレに間に合わなかった畑野の片付けをしてくれた。何があったのか話してくれという父に畑野は涙が溢れ「死にたい…」と一言呟いた。

すると父は理由を聞く事もなく、翌日に行われる進水式に行かないかと誘ってくれたという。

翌日、畑野は父と一緒に進水式に出かけた。

そして父は畑野の語りかけた。

どの船も大勢の人から祝福されて海に出る。大海原に出た船は、自分の役割を果たしながら、海を進んで行き、海が荒れる時もあるように、人生も嵐に襲われることはある。

人間も同じ。両親が待ち焦がれてこの世に誕生し、やがて大きな世界へと旅立っていく。送り出した者は助け船を出せることはあってもずっと付きっきりで一緒に航海はできない。

自分(父)の役割は、助けが必要な人に助け船を出し、良き方向に導くこと、そして沈ませないようにすること。

畑野忠彦という船もこんなところで沈んではいけないし、どんな船だって他の船を沈めることは許されない。

祝福されて大海原に旅立ったのだから。

その後、父はいじめについて懸命に調査しその結果、首謀者である人物が判明し、畑野がいじめを受けた原因がわかったという。

それは、畑野が夏休み前に見かけたタバコを吸っていた上級生だった。その上級生がタバコを見られた口止めのためか、畑野が標的になったという。

こうしていじめ問題は解決した。

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本当は、進水式にも航と行きたかっただろう。

しかし、大事な時間を自分のために使ってくれ、父に言われたことを多くの子どもたちに伝えていくことで恩を返していくつもりだと言い、畑野は病室を後にした。

畑野は、新聞記事を見て航を訪ねてきてくれたと言っていた。

しかし、父の仏壇の前で家が火事にでも合えば現実の苦しみから解放されると…ライターの火を見つめていた航を心配し畑野を自分に引き合わせてくれたのではないかと航は考えていた。

そして、航は畑野から聞いた父の言葉を自分も伝えていこうと決意したのだった。

(おわり)

望郷(湊かなえ)「光の航路」感想

父が畑野に語りかけるシーンは号泣してしまいました。

祝福されこの世に誕生し、色んな希望を託され名前がつけられ、やがて新たな世界へと旅立っていく。荒れる海のように人生も色んな試練が待ち受けているけど、それでも進んでいく。

そして、誰も他人の船を沈ませることなんて許されない。誰も他人の人生に口出しなんてできないし、その人の人生を奪うことなんて絶対に許されない。

目の前の問題に絶望し、命を断つことすらうっすらと考えていた航。

しかし、病室に訪れた畑野から父の話しを聞き、自分も父の言葉を伝えていこうと、人生の航路に光が射すという前向きになれるストーリーで感動的でした。

おわりに

どの作品も登場人物それぞれが抱える胸の痛み、苦しみなどがじわじわと伝わってくる物語ですが、最後は穏やかに希望が射し込む作品で面白かったです。

原作では、同じ島が舞台ですが、話しがクロスすることはなく、全て独立したストーリーとなっています。

しかし、映画では「夢の国」と「光の航路」この二つの物語がリンクされていくようでまた違った展開が期待できそうです。これは楽しみ…!

原作小説も非常に面白かったので、ぜひ映画とセットで楽しむことをおすすめします!

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